無の一周忌
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先日、娘といっしょに猫の墓参りへ行ってきた。ナーという名前の猫が去年のいまごろ死んで、一周忌だったのだ。ナーはクーという子と兄弟で、元気な子猫だったんだけど、二年前いっしょにうちにもらわれてきた。彼らに名前をつけたのはぼくの娘のあくびで、「無」と「空」というかっこいい漢字をつけてあげたのはぼくだ。
ナーはうちの女房が床にほったらかしていた刺繍糸を飲み込んでおっ死んだ。糸が胃の中でからまって腸への入り口が塞がってしまって、治療中に急死してしまった。獣医の先生も最初レントゲンを撮ったりしてたころはわっはっはとのんびりしてたのにナーが苦しみだしたら急に焦りだして汗かきながら「緊急救命室ER」みたいな必死の治療をしてくれたのだけども、治療の甲斐なく死んでしまった。
「す、鈴木さん…ダメだ。鈴木さん、ダメ…ごめんなさいね」
先生は「やっちまったあ…」という顔をしながら心臓の止まったナーの心臓マッサージを続けていた。
「先生、もういいです…ありがとうございました」
「こ、こういうね、急に様態が悪化することもあるんですけどね、もう少し早く連れてきてくれたら…」
先生は少ししどろもどろになりながらそう言い訳し、心臓マッサージをやめた。しょうがない。ぼくが悪いのだ。
最初に彼の異変に気づいたのはぼくだ。元気がなかったのだ。いつもは走り回って鳴き回ってうるさい子猫なのになぜか元気がない。まさか糸を飲み込んだなんてそのときは思いもよらなかったし。それでやっと二日目になってこれはおかしいと女房(←糸を床に出しっぱなしにした犯人)に「病院に連れてってね」と頼んでおいたのだが、女房のやつめんどくさがって行かなかったのだ。もうナーは元気なくなっちゃってじっと動かなくなっちゃってんのに。それで三日目になってぼくがやっと仕事を早めに切り上げて獣医のとこに連れて行って、糸を飲み込んでいたのがわかってじゃあ治療しましょうといった矢先に死んでしまったわけで。ごめんね。ぼくがすぐに病院に連れて行けばよかった。あーばかばかおれのばか。
ま、でも死んでしまったものはしょうがない。すまなかった。すまぬ。うちの女房が申しわけなかったね。すまんね。まあでもね、諸行無常だしね。生きるものはみんな死ぬしね。でもね、悲しいね。やだね。許しておくれよナー。うえーん。
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おまえの好きだったモンプチ。そして、おまえは別に好きでもなかっただろうけどお花と線香。そして、おまえは嫌いだったと思うけど水をかけるけどごめんね。またくるからね。チーン。南ー無ー。
(@盆@)人
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