東京サブタレニアンズ

Mar 11

フルムーンパーティの夜

東京サブレinタイ 10

満月の夜 ─ ぼくの泊まっているゲストハウス前に、コ・パンガン(パンガン島)へと渡るトラベラーたちを満載したピックアップトラックがやってきた。今夜はサムイ島北側のビーチからコ・パンガンに向けて次々にボートが出るのだ。ぎゅうぎゅう詰めのトラックはいちばん最後にぼくを拾って、夜の道を船着き場に向かった。

バングラックピアという名の桟橋はもうすでにパーティ気分でハイになった白人旅行者たちでひしめき合っていた。百人は乗れるであろう大きなフェリーに乗り込むときに木製の桟橋がギシギシと揺れると、一斉にみんなで「Oooooh!」と叫んだ。

パンガン島まで30分、高速フェリーは海の上を走る。空には丸く輝くお月様。隣の席の南欧人らしき女の子が肩に「友」というTATTOOをしていた。友。外人って漢字が好きだよな。やがてフェリーはコ・パンガンのハートリン・ビーチに到着した。

今夜はコ・パンガンのフルムーンパーティ。満月の夜のどんちゃん騒ぎ。1万人を超える旅行者たちがオールナイトで踊り明かす夜なのだ。

船が着いたサンセットビーチから、人混みをかき分けて会場のサンライズビーチへと向かう

祭りだ祭りだ

コ・パンガン名物バケツカクテル

この日いちばんのHIPな人たち

サンライズビーチはパーティを楽しむ人々で埋め尽くされている

テクノ、レゲエ、ロック。会場のあちこちで鳴り響く音楽にファイヤーダンス。そして狂喜乱舞して狂ったように踊る人たち。ええじゃないかええじゃないか!踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃSong Song!

ビーチではイギリス人のベンというやつと仲良くなった。ベロベロに酔っているベンはぼくにウォッカベースのバケツカクテルを執拗に勧めた。そしてベンはぼくの名前を聞くと「チョットマテ」と日本語で言い、ひとつひとつ思い出しながらゆっくりと、砂浜にひらがなで文字を書いた。

すずき

おお、ベン。上手じゃないか。ベンにはオーストラリアで知り合った日本人のガールフレンドがいるらしい。来年、日本にやってくるそうだ。ひらがなもその彼女に教えてもらったんだって。

「チンチンチイサイ!」

あ、誰にそんな日本語を教えてもらったんだ?

「ちんちんデカい!」「おまんこしたい」…ベンは今日、また新しい日本語をいくつか覚えたようだ。よかったよかった。ゲラゲラ。

そして鈴木はチルアウト中

みんなもときどきはこんな風に馬鹿になって一晩中踊ったりすればいいんじゃないかなと思う。めんどくさいこと、ややこしいこと、ゆううつなこと、いやなこと、なにもかもぜんぶ忘れて。さあ、あなたも、わたしも、朝までいっしょに踊りましょう。夜はまだまだつづくのだから。

踊り疲れたぼくが空を見上げると、煌々と輝く丸い月が、この島と馬鹿になって踊り狂う人々をいつまでも、いつまでも優しく照らしていた。(つづく)

【再掲】フルムーンパーティの夜(初出2007年9月17日)

Mar 10

キリストもヒッピーだったんだぜ

(@盆@)/ iPhoneアプリレビューブログ「東京サブタレニアンズ」にようこそ!

今日もとびっきりクールで便利なiPhoneアプリをみんなにご紹介しちゃうよ。というわけで早速、本日のオススメアプリはこれだー。

Tase-A-Hippie

Tase-A-Hippie

カテゴリ:エンターテインメント


【アプリ詳細の翻訳】ハーイ!皆さんはヒッピーに電気ショックを与えたり、与えられたりしたらどんな感じになるか知りたいと思ったことはありませんか?そんな楽しいエンターテインメントなアプリがいまここに!あなたはきっと、宇宙と彼のみすぼらしい犬の“ラッキー”をも好きになることでしょう!宇宙からの130のサウンドとフレーズで、ウッドストックまでの道のりも笑いっぱなしだぜ!HAHAHAHA!

イエス!そう。なんとこのアプリはヒッピーに電気ショックを与えることができる超便利なアプリなんだ。指で画面のヒッピーをタッチすると、ビリビリッと電気が走ってヒッピーがぶるぶる震えながらいろんな言葉をしゃべるんだ。

Tase-A-HippieWhat did I do to you?
(おれが何したっていうんだ?)

Peace, men!
(ピースだぜ〜!)

You can’t stop the movement
(変化は止められないんだ)

Make love, not war
(戦争よりも愛を育もうぜ)

Got any papers?
(新聞もってるかい?)

I know you got donuts?
(ドーナツもってんだろ?)

Do that again but a little lower!
(もう1回やって。次はもうちょっと下を!)

Jesus was a hippie, man
(キリストもヒッピーだったんだぜ)

ヒャッホー!これさえあればいつでもヒッピーに電気ショックを与えられるぜ。う〜んナイス!五つ星!★★★★★

(@盆@)/ みんなも豊かなiPhoneライフを送ってね。シー・ユー!

Mar 09

無の一周忌

先日、娘といっしょに猫の墓参りへ行ってきた。ナーという名前の猫が去年のいまごろ死んで、一周忌だったのだ。ナーはクーという子と兄弟で、元気な子猫だったんだけど、二年前いっしょにうちにもらわれてきた。彼らに名前をつけたのはぼくの娘のあくびで、「無」と「空」というかっこいい漢字をつけてあげたのはぼくだ。

ナーはうちの女房が床にほったらかしていた刺繍糸を飲み込んでおっ死んだ。糸が胃の中でからまって腸への入り口が塞がってしまって、治療中に急死してしまった。獣医の先生も最初レントゲンを撮ったりしてたころはわっはっはとのんびりしてたのにナーが苦しみだしたら急に焦りだして汗かきながら「緊急救命室ER」みたいな必死の治療をしてくれたのだけども、治療の甲斐なく死んでしまった。

「す、鈴木さん…ダメだ。鈴木さん、ダメ…ごめんなさいね」

先生は「やっちまったあ…」という顔をしながら心臓の止まったナーの心臓マッサージを続けていた。

「先生、もういいです…ありがとうございました」

「こ、こういうね、急に様態が悪化することもあるんですけどね、もう少し早く連れてきてくれたら…」

先生は少ししどろもどろになりながらそう言い訳し、心臓マッサージをやめた。しょうがない。ぼくが悪いのだ。

最初に彼の異変に気づいたのはぼくだ。元気がなかったのだ。いつもは走り回って鳴き回ってうるさい子猫なのになぜか元気がない。まさか糸を飲み込んだなんてそのときは思いもよらなかったし。それでやっと二日目になってこれはおかしいと女房(←糸を床に出しっぱなしにした犯人)に「病院に連れてってね」と頼んでおいたのだが、女房のやつめんどくさがって行かなかったのだ。もうナーは元気なくなっちゃってじっと動かなくなっちゃってんのに。それで三日目になってぼくがやっと仕事を早めに切り上げて獣医のとこに連れて行って、糸を飲み込んでいたのがわかってじゃあ治療しましょうといった矢先に死んでしまったわけで。ごめんね。ぼくがすぐに病院に連れて行けばよかった。あーばかばかおれのばか。

ま、でも死んでしまったものはしょうがない。すまなかった。すまぬ。うちの女房が申しわけなかったね。すまんね。まあでもね、諸行無常だしね。生きるものはみんな死ぬしね。でもね、悲しいね。やだね。許しておくれよナー。うえーん。

おまえの好きだったモンプチ。そして、おまえは別に好きでもなかっただろうけどお花と線香。そして、おまえは嫌いだったと思うけど水をかけるけどごめんね。またくるからね。チーン。南ー無ー。

(@盆@)人